@techreport{oai:ipsj.ixsq.nii.ac.jp:00233191,
author = {伊藤, 隆浩 and 中村, 拓人 and 西村, 雅史 and 北, 義子},
issue = {19},
month = {Mar},
note = {難聴者が日常生活において困難を感じることとして,音源定位が挙げられる.視界の外から車両等が接近するような場合,車両が来る方向の察知が難しく,恐怖を感じる難聴者も多い.特に,一側性難聴のように左右の聴力差がある場合,音源定位が難しいとされる.そこで,バーチャルリアリティ (VR) を用いて,実際の車両接近場面を想定した音源定位課題を行うことで,衝突リスクの程度や,リスクの要因を明らかにし,難聴者自身の注意喚起や,より良い補聴器フィッティングに繋げることができるのではないかと考えた.本研究では,健聴者および聴力に左右差のある難聴者を対象として,VR システムを用いて音源定位課題を実施した.条件として,2 種の音条件 (バイクのエンジン音,自転車のベル音) と,2 種の聴取条件(健聴者では裸耳および左耳栓装着,難聴者では補聴器有りおよび補聴器無し)で比較を行った.健聴者の結果は,左耳栓装着時の自転車の定位の誤りが他条件よりも増加し,衝突の潜在的なリスクが存在することが示された.難聴者の結果は,個人差が大きく,補聴器無しでも正確な定位が可能な被験者がいた一方で,衝突の危険が生じた被験者もいた.バイクよりも,自転車の方が難しい傾向がみられた.補聴器の有無による影響も個人差が大きく,補聴器有りの方が良い,補聴器無しの方が良い,あまり変化がない被験者と傾向が分かれた.1 日の補聴器装用時間が短い場合,あるいは良聴耳と補聴耳との聴こえの差が大きい場合には,定位の改善が得られない可能性が示唆された.難聴者に対するアンケートでは,課題および結果説明を通して,自身の音源定位の様子を音条件,聴取条件等の観点で理解することができ,危険回避において正確な音源定位と音への素早い気付きが重要だと思うという回答が得られた.},
title = {車両接近場面を想定したVR音源定位システムによる定位分析-健聴者と聴力左右差のある難聴者を対象として-},
year = {2024}
}