@techreport{oai:ipsj.ixsq.nii.ac.jp:00214229,
 author = {河中, 祥吾},
 issue = {6},
 month = {Nov},
 note = {スマートシティの重要な役割は,多様な分野から提供される都市環境情報を集約し,市民の生活の質を向上させることにある.都市環境をより正確にセンシングするためには,行政や産業界が構築したインフラやセンサネットワーク群から得られる情報を,参加型センシングを用いて得られる人間の感性的な情報で補完・強化が必要不可欠である.しかし,日々それぞれの目的を持って活動している人々に,いかにしてセンシング行動への寄与を促すかが重要な課題となる.この問題を解決するためのインセンティブメカニズムとして,ゲームデザイン要素やゲームの原則をゲーム以外の物事に応用するゲーミフィケーションが注目されている.本研究では,スマートシティ環境における重要なアプリケーションの一つである,スマートツーリズムに着目し,ゲーミフィケーションを用いた参加型センシングによる持続可能な時空間観光情報収集を実現するために,以下の二つの研究課題に取り組んだ.(1) 観光客の負担を考慮したゲーミフィケーションとセンシングタスクの設計,(2) 適切なタスク割り当てインターフェイスと対話インタラクションの設計およびパーソナライゼーション.課題 (1) では,ゲーミフィケーション要素として,ミッション,ポイント,ランキング機能を導入した.ミッションには,特定の観光地で写真やレビューを明示的に投稿するチェックインミッションと,特定の観光地でセンサデータを収集するエリアミッションの 2 種類を設計した.加えて,ミッション達成時に得られるポイント付与方法が異なる 3 種類の報酬付与方法を設計した.それらを参加型センシングアプリとして実装を行い,33 人の参加者を対象に観光実験を行い,ゲーミフィケーションデザインが観光情報収集の効率化や観光満足度に与える影響を調査した.その結果,観光満足度を考慮するとエリアミッションを採用すべきであり,スポットごとの情報需要度に応じて配点の重みを変更することで満足度を低下させることなくシステムが必要としている観光情報を効率的に収集できることがわかった.課題 (2) では,地図上にマーカで表示されるスポットをユーザが能動的に選択するマップ型インターフェイスおよびユーザの所在地に応じてアプリケーション内のエージェントキャラクタがスポット推薦を行いユーザが半受動的に選択を行うチャット型インターフェイスの 2 種類を設計した.また,チャットベースのインターフェイスでは,適切な対話文を明らかにするために,精巧さと直接的さの指標に基づいて 4 つの対話テンプレートを作成した.118 人の参加者を対象に観光実験を行い,インターフェイスが情報収集効率や観光満足度に与える影響を調査した.その結果,マップ型インターフェイスでは収集データの絶対量が約 1.4 倍となるが,チャット型インターフェイスでは,需要の高いスポット情報をより効率的に収集できた.また,チャット型インターフェイスでは,観光よりもミッションを優先する傾向が顕著にみられた.さらに,チャット型インターフェイスでの対話文においては,精巧さの指標に有意差があり,より精巧な文章が好まれていた.最後に,いくつかのパーソナリティ特性と,センシングへの貢献度やインターフェースの好みとの間に相関関係があることが明らかになった.},
 title = {ゲーミフィケーションを用いた参加型センシングによる持続可能な時空間観光情報収集},
 year = {2021}
}