@techreport{oai:ipsj.ixsq.nii.ac.jp:00213558, author = {木下, 悠}, issue = {28}, month = {Oct}, note = {今日,私たちが美術館や博物館において目にする歴史的な傑作は,二重の奇跡のうえに存在している.すなわち,そうした傑作を生んだ時代と天才があったという奇跡と,それが運よく失われずに伝わったという奇跡だ.美術作品や文化財は,それぞれが非代替性の価値をもって存在している.しかし,その価値が何十年,何百年もの時間を超えて伝わっていくには,様々な困難を潜り抜けなければならない.火災や盗難,戦争による破壊などから,経年による劣化や好みの変化による忘却まで,作品の伝承に対する脅威は実に多様だ.文化財のアーカイブとは,これらの困難や脅威に抗い,作品をなんとか後世に伝えていこうとする取り組みだ.そうした活動は昨今始まったものではなく,これまでも様々に試みられてきたし,特に写真という機械複製技術が発明されて以降は活発に行われた.その結果,私たちの手元には既に数多くのアーカイブデータが存在している.ここに新たな問題が発生してくる.作品を伝えることについて頭を悩ませる機会は増えたのだが,先人が後世に残した膨大な情報を受け取って活用する活動は積極的に行われてはいない.積み上がっていく作品の記録を前に,それをどう使うかということが実はあまりみえていない.しかし,伝えることに携わるのであれば,先人が残したものを受け取る役目も担うべきであろう.私はこうしたデジタルアーカイブとその活用の現場に関わるとともに,消失してしまった作品について先人が残した資料を辿り,デジタル技術を活用することで過去の姿を復元することに挑戦している.その現場では,作者が用いた技術と,アーカイブを残した人物が用いた技術,そして今日のデジタル技術という三つの異なる方法論が出会うこととなる.本講演ではこうした現場で私がどのような課題と出会い解決策を模索したか,その内容を紹介する.}, title = {デジタルアーカイブと復元の現場における試み}, year = {2021} }